グリップと素振りをみれば、その人のハンデがわかるものです。
『ゴルフはグリップに始まりグリップに終わる』、これは大昔からスコットランドに伝わる諺です。
ゴルフが上達する人となかなか上手くならない方にはいろいろな要因があります。
そのひとつにグリップにこだわるか無頓着なのかの差があります。
グリップを軽視する人は教習所の門をくぐらずにいきなり運転試験会場に現れるようなものです。
100を切る道もかなり遠いものになります。
急がば回れ、今回はグリップについての解説です。
最初にグリップの握り方、右手と左手などの詳しい知識が並び、中盤ではグリップに纏わる名言から上達するためのヒント、最後にグリップの交換の仕方などのためになる情報をご紹介します。
ゴルフを早く上達したい方へ
このサイトでは、ゴルフのグリップについて基本から詳しく説明していますから、ここの情報をもとに自分のグリップを確認、修正することで、スコアアップやゴルフの上達につながります。
でも、手っ取り早く、効率よく学ぶ方法はプロに見てもらうことです。
自分のグリップが正しいのか、どう修正したらよいのか、直接アドバイスをもらいたい方は、ゴルフスクールに通うことをお勧めします。
スクールの中でも群を抜いて実績を残しているのがRIZAPゴルフです。
全国各地にスクールもあり、まさに結果にコミットするという意味でもおススメできます。
Contents
グリップの握り方の基本を知ろう!右手と左手の使い方
「レッスンをしてひとつの真実を見た。それは圧倒的多数のアマチュアゴルファーがグリップの間違いに気づかないまま、ひたすらスイングばかり改造しようとしていることだ。これにはショックを受けた。」
これはマスターズで3勝、全英オープンで3勝を挙げ、今や英国ではサーの称号(イギリスの栄誉称号)を持つプロゴルファー、ニック・ファルドの名言です。
この言葉通りグリップを学ぶことが上達の早道ともいえます。
では、最初に正しいグリップ、右手と左手はどう使うのかを学びましょう。
①あなたに合う、場面ごとに適したグリップの基本を身につけよう!
最初にグリップの基本知識を学んでください。
「うまい下手はグリップが決める」は正論でありながら、「万人に合った正しいグリップは世界に一つではない」のです。
つまり、ゴルファー全員に当てはまるものではなく、グリップの基本を踏まえてあなたに合った、そして場面ごとの正しいグリップが必要です。
最初にそこを勘違いしてしまうと、グリップに対する誤解が生まれます。
このように個人差はあれ、正しいグリップの基本を学びましょう。
グリップは体とクラブの唯一のジョイントとして機能します。
グリップの基本を無視していては理想的なボールを打つことはムリです。
【グリップの基本~握り方のコツを紹介】
②正しい腕の振り方、グリップの握り方が大事!
左手と右手の使い方を学習するのに、まず大元の腕の使い方を知らないといけません。
まずクラブを持たず両腕を伸ばし、体の正面へ突き出します。
次に伸ばした手の平を空に向けます。
腕を伸ばしたまま親指を除く4本の指をピッタリ重ねます。
このままの姿勢では苦しいので、二の腕だけ体につけましょう。
そのまま、両肘がおへその方向を向けたままで腰を回転させた動きが脇を開けないスイングとなり、基本的な腕振りのイメージになります。
今度は肘を絞ったまま、左手の親指が右の手の平の生命線に沿うように双方の中心線よりやや上下に数ミリずらしてセットします。
その状態で右手と左手でグリップを握るイメージが正しいグリップです。
【右手のグリップで大事なこと】
②自分が握りやすいグリップを探そう!
今度は先ほどで練習したイメージをそのまま変えずにクラブを握ります。
左手の生命線に沿った位置にクラブのグリップを置くとパームグリップ(手の平中心の握り方)で、左手のナックル(手の甲の部分にある突起部)が2個程度見えるように右回転させるのが一般的です。
生命線よりすこし指側にずらすとフィンガーグリップ(指中心の握り方=写真)といって、最近流行りのグリップになります。
どちらが正しいではなくて、あなたのスイングしやすい握り方が正しいグリップと考えてください。
前述のナックル(手を握った時に手の甲に出る突起部分)の個数は個人差と後述のタイプに関わってきます。
ボールが多少でもコントロールできそうになったらいろいろ試してみるとゴルフの楽しさがよくわかります。
【理想のグリップとは?】
③左手と右手を一体にする握り方が理想的
ではフィンガーグリップを例にとって説明しましょう。
左手でクラブを握り親指を伸ばしておきます。
その親指の位置と右の手の平の生命線を合わせます。
そこがもっとも手の平のくぼ地になるので、左手の親指がすっぽり収まり両手が密着するため一体感が生まれます。
基本的に右手と左手を分離させず、できるだけ小さなインゴット(塊)にしたほうがクラブコントロールは容易になり、パワーロスが少ないままヘッドに伝わります。
右手の人差し指は、銃を打つときのトリガー(引き金)にかけた指の形になります。
【右手のグリップを詳しく説明】
④グリップで使う指は5本だけ!他の指の位置は?
当然、グリップは右手と左手の10本になりますが、実際に機能させるのは5本だけです。
右手の人差し指と中指、左手の中指と薬指と小指の5本以外は”遊ばせる”ことがコツで、うまい人は誰でも知っています。
遊ばせる両手の親指に関してはとてもデリケートな使い方が必要です。
親指を全く使わないとグリップ・プレッシャーがなくなり、飛距離的に上がるかもしれませんがスムースなスイングがしにくくなります。
ここ一番で飛ばそうとしたときのみ右手の親指だけを多少利用します。
10本すべてでしっかり握ると誤解していた方は、このことを知っただけでも上達すること間違いありません。
グリップは”小鳥を握るように軽く握る”という言葉はジャック・ニクラウスの有名な比喩ですが、そのくらい強い力で握らなくてもスイングするときは人間の本能でクラブが抜けない力が自然に出てくるという意味です。
【親指の正しい位置の見つけ方とは?】
⑤ウイークグリップとスクエアグリップの違いとは?
最初に解説した、左手と右手を伸ばして手のひらを合わせた状態(両手の親指が完全に空を向きシャフトの真上に来る)のままでクラブを握るとスクエアグリップ(ニュートラルグリップ)が出来上がります。
この時は左手の親指と人差し指で作られた”Vの字”はアゴのほうを向くことが解ります。
ウイークグリップは、そのVの字が左の肩の方向を向きます。
当然右手の親指と人差し指も被るように左方向、せいぜいアゴのほうを向く形になり、②の項で登場した左手のナックルはひとつも見えない状態になります。
ウイークグリップでヘッドスピードを上げるのは至難の業で、当然ボールが掴まらず飛距離を出す握り方とはなりません。
さらにウイークグリップの欠点は、グリップの握りが強すぎる傾向にならざるを得ないということになりますが、チーピンや強いフックの方にとって、一時的な矯正の練習になるという長所もあります。
【フックグリップとスクエアグリップ】
⑥最近主流のストロンググリップとは?
ストロンググリップという握り方は、左手と右手の握りがスクエアよりやや右に移動(回転)する形になります。
つまり、左手のVの字はアゴより右方向で、左手のVの字は右肩かもう少し右を向きます。
このように左手重視で握ると、③の項で説明したことが自然にイメージできます。
つまり、左手のVの字をキッチリ作っておけば、左手の親指が右手の生命線の中に埋まるという原則通りの、握っただけで自然なストロンググリップになります。
【ストロンググリップとウィークグリップ】
https://www.youtube.com/watch?v=UbWDb-iXg8k&t=60s
⑦ゴルフのグリップ3種類の特徴は?
ゴルフで一般的にグリップタイプというと以下の3種類です。
(右利きの方の例)
①オーバーラッピンググリップ
握った時に、右手の小指が左手の人差し指と中指の谷間に覆いかぶさる握り方。
かつてはもっともポピュラーなグリップでした。
②インターロッキンググリップ
右手の小指が左手の人差し指と中指の間に潜り込む握り方。
タイガーをはじめ、ジャック・ニクラウス、ルーク・ドナルド、ローリー・マキロイ、バッバ・ワトソンをはじめ石川遼など現代はトッププロの半数程度がこのスタイルでプレーしています。
③ベースボールグリップ(別名=テンフィンガーグリップ)
左手と右手が単独でシャフトを握るタイプで、一見すると野球のバットと非常に似た形になります。
人によっては手と手の間を空けるタイプもありますが、飛距離重視の少数派です。
【あなたに合うグリップの握り方はどれ?】
⑧場面ごとにグリップを使い分けよう!
グリップと一口にいってもゴルフは単純なゲームではなく、ここまで解説したグリップ以外にケースバイケースで使い分けなければいけないことがあります。
代表的なものはふたつありますが、ひとつはパッティングのグリップです。
力が必要ないのでどう握ろうと自由で、ラインを跨ぐスタンスほかはまずルール違反になりません。
パッティングのグリップというと、昔のサム・スニードタイプ、最近はデシャンボーが採用したこともあるサイドサドルスタイルにはそれ用のグリップがあり、近年クローグリップやクロスハンドなどと昔はなかった奇抜なものも登場しています。
もう一方でアプローチに関しては距離よりも精度の高いタッチを求めるため、普段のグリップを変えるプロもいます。
ビジェイ・シンはクロスハンドグリップを使って周囲を驚かせました。
多くのプロはアイアンでストロング系からウイーク系に変化させる握り方で、フェースの面を返さないで柔らかいタッチを出すグリップを採用しています。
このように、ドライバーやアイアン、アプローチ、パッティングとグリップも時と場合で変わっていきます。
【パッティングのグリップを紹介】
ゴルフの先人が遺した「グリップ」の教え
「アマチュアで上達が遅い人の問題といえば、スイングよりも90%はグリップにある」といったのはアメリカの有名なレッスンプロです。
大半の初心者はフォームばかり気にしますが、ゴルフの基本はグリップ、アドレス、捻転軸にあることを知るべきです。
ゴルフを極めようとした伝説の人の言葉には、グリップに関するギュッと凝縮された意味の深いヒントがあります。
①ショットに悩んだ「サム・スニード」のグリップの教え
「理想的なグリップとは、指の皮がむけたり痛くなったり、タコができることもなく腕が疲れたりしないものだ。」と言い遺したのはPGAツアー82勝という歴代1位のサム・スニードです。
ショットに悩んでいたスニードが、ある日ジャズを聴きに行ったときのことです。
有名なドラマーの演奏に感動したスニードが「なぜそれほど早く正確に音が出せるのか?」と質問したらその言葉が返ってきました。
「それはスティックの握り方にある。強すぎず、弱すぎず、ほどほどの加減に持って手首に緊張が出ないようにリラックスする」これぞゴルフに通じる話です。
②小柄な天才ゴルファー「戸田藤一郎」のグリップの教え
「左手はハンドル、右手がアクセル」こう言ったのは戸田藤一郎さんでした。
たった165cmの小柄な体で、そのころでいう年間グランドスラムも達成し、1936年アメリカのハリウッドオープンでは2位と健闘した天才ゴルファーでした。
戸田さんは両手の使い方の議論が盛んな時代、「右手最重視」のスイングが有名でした。
「右手は器用で力がある。右手を使わないで飛ぶもんかいな!」と語っていました。
今でも、左手で方向を、右手で飛距離をという考え方は生きています。
③モダン・スゥイングの父「ハリー・バードン」のグリップの教え
「方向性に難がある人のほとんどは、スイングよりグリップを直せばよくなる。」
これは全英オープンで6回、全米オープンで1度の優勝を果たしたハリー・バードンの言葉です。
ハリー・バードンは「モダン・スウィングの父」とも呼ばれた人物で、前述の右手小指を左人さし指の上に乗せるオーバーラッピング・グリップを世界で最初に編みだした伝説の偉人です。
このオーバーラッピンググリップは100年の間バードン・グリップと呼ばれてきました。
前述の「右の親指と人差し指は、ピストルの引き金を引くように握る。」という言葉は彼のものです。
プレーに大きな差が出る!正しいグリップの選び方
ゴルフのグリップは握り方の意味ですが、グリップという部品そのものに対する知識も上達には欠かせません。
同じクラブでもグリップをとり変えると別物になります。
何が違うかというと、グリップそのものの重さ、太さ、素材、硬さ、装着法が異なるためです。
一度様々なグリップに変えて試打をするとその違いにまざまざと気づき、その違いはそのままプレーに影響を与えます。
ゴルフがうまくなるために必要な、グリップ選びのヒントの概略を知識として持つことは必要になります。
【初心者でも出来るグリップ交換】
①クラブのバランスにも影響する「グリップの重さ」
そもそもグリップの重さはどのくらいかというと、軽いものでは20g程度からあります。
そして重いものではなんと80gもあり、その差はかなりあります。
一般に市販されているものは大体その平均値で、40~50gに近いものです。
グリップは2~3年使えば劣化します。
交換するとき、グリップの重量はクラブ・バランスに大きく影響を与えます。
最近はシャフトそのものが軽いこともあって、グリップの重さの変化は相対的にそのままクラブ全体の重心の変動になります。
振ってみてまったくフィーリングが違って感じるのはそのせいです。
少しでも以前より軽いグリップにすると、その分だけクラブヘッドの重さが利いてきてスイングウエートが重くなります。
逆にヘッドの重さを感じにくいという違和感があるので注意が必要です。
【グリップでクラブバランスが変わる!】
②グリップの太さによって使い分けが必要!
グリップの太さはM58とかL60などという表記が一般的です。
MとかLという意味はメンズ用とレディース用を指しています。
そのあとの数字はグリップの内側の直径をインチで表しています。
”60インチ”あたりが最も一般的なサイズです。
ここでは詳しくは語りませんが、グリップの太さに関しては普通にグリップが太くなるほどコックがやりにくくなり、ヘッドが走りにくくヘッドスピードの点でマイナスとなっています。
その代わり方向性はかなり安定するため、距離より方向性を求める方にとっては好都合で、逆に飛距離重視するなら細めの方が良いでしょう。
【グリップの太さによる球筋の違い】
③グリップの硬さと素材も重視しよう!
重さと太さが決まったら「硬さ」に注意する必要があります。
硬さを決める大きなファクターは「素材」です。
昔は皮であったりゴム製であったりしましたが、最近はそれ以外の材質も目立つようになりました。
新素材の中にはEPDMなどに代表される各種樹脂系コンパウンドのグリップが多く市販されるようになりました。
一般的なゴムに比べてしっとりした感触が、なんとなく握りやすく滑りにくいイメージがあって好まれています。
コンパウンドが混入している素材は衝撃吸収性、耐磨耗性、耐候性などに優れているほかに、汗や雨の影響などを受けにくい特性も兼ね備えています。
【グリップの種類~素材ごとの特徴】
ゴルフが上達するグリップの握り方/グリップの選び方・まとめ
グリップにはいくつかの種類があり、握り方もそれぞれであることを解説しました。
ボールをコントロールするためには、グリップとアドレスの組み合わせが重要です。
例えば、スクエアな右足スタンスからやや右足を後方に引いたクローズドスタンスにしてグリップをストロング系にした場合、自然に振るとインサイドアウト軌道になるためボールはドローボールかフックになります。
逆に、左足の位置をスクエアから後方に引けばフェード系のボールが打てます。
ただし、スイングは人それぞれで、スライスを嫌がってスクエアな構えからグリップだけストロンググリップで打つと、軌道次第で強いスライスにもなります。
このように、グリップとスタンスは密接な関係があり、最終的にはインパクトの時のフェースの向きが関係することを認識しておいてください。
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